2026年8月10日月曜日

航空法施行規則§151「救急用具の点検期間」

改正前

  • 落下傘:60日
  • 非常信号灯、携帯灯および防水携帯灯:60日
  • 救命胴衣、これに相当する救急用具および救命ボート:180日
  • 救急箱:60日
  • 非常食糧:180日
  • 航空機用救命無線機:12ヶ月

改正前は、60Day・180Day・12Mだった。

航空法とメーカーマニュアルの点検サイクルが異なる場合に管理の手間が増えていた。

改正後

航空法施行規則§151

前各項の規定により航空機に装備しなければならない救急用具は、点検の内容、方法その他の事項に関し国土交通大臣が定める技術的基準により点検しなければならない。

規則§151のMLIT大臣が定める技術的基準とは、サーキュラー No.1-501(出典1)のこと。

さらにサーキュラーで、技術的資料(航空局、設計国又は製造国の航空当局及び航空機並びに装備品等の製 造者等の作成する整備に関する技術的資料=メーカーマニュアル)に従って、点検することが義務付けられている。

点検サイクルがメーカーマニュアルに統一された。

出典:

  1. サーキュラー No.1-501「航空法第16条に基づく整備・改造の実施について」
  2. 官報(令和6年12月27日 号外第303号)
  3. (特定救急用具に関する経過措置)

    第六条 この省令の施行の際現に旧規則第百五十二条第一項本文の規定による検査に合格した特定救急用具又は同項ただし書の承認を受けた型式の特定救急用具については、その型式について新規則第十四条第一項の国土交通大臣の承認を受けたものとみなす。

  4. パブリックコメント
  5. 航空法施行規則151条改正——救急用具の点検期間がマニュアル準拠に変わる(ヘリブログブログ)

特定救急用具については、今回は追求しない。

出典5の現役ヘリパイの方のブログが実務的に何をすべきかがまとまっていた。

使用者は原則としては、メーカーマニュアルに準拠して点検を行う。という理解で問題ない。

パブリックコメントをしっかり読んだのは初めてだった。業界関係者が結構厳しい意見を言っていて、整備に関わる身として当事者として捉えて仕事に取り組んでいかなければと感じた。

2026年7月29日水曜日

上司のFAVORITEでない人の成長戦略(三層モデル・実践版)

上司のFAVORITEでない人の成長戦略(三層モデル・実践版)

文献全体を統合すると戦略は三層に整理できる。本節では各層を「根拠 → 具体的な運用」の順で記述し、運用例は書類・現物・監査対応のある技術系職場を想定した。

出典表記の凡例: 本節では各主張の直後に出典の種別を明示する。[一次]=査読付き研究、[調査]=非査読の大規模サーベイ、[実務]=専門家による論説(HBR等)、[逸話]=コミュニティの実体験(個別検証不能)、[応用]=文献の直接の記述ではなく、本レポートが文献の原理を運用手順に翻訳したもの。[応用]とある箇所は文献的裏付けが原理レベルにとどまることに注意されたい。

第一層:感情と認知の制御(自己制御の応用)

根拠: 不遇感への対処でまず感情管理を置くべきこと、不公平感・恨みが負のバイアスを増幅し、萎縮(上司への接触回避)や敵対という自滅的行動を誘発すること、また不遇と感じる人ほど「迷惑がられるのでは」と上司への自発的な報告・相談をためらい、それが関係悪化を固定しやすいことは、Smith (2024, HBR)[実務]による。
成人期の自己制御が中年期のアウトカム(老化速度・健康/財政/社会的準備)を幼少期の自己制御と独立に予測することは Richmond-Rakerd et al. (2021, PNAS, β絶対値 0.33–0.54)[一次]による。
自己制御的な行動を後天的に改善する介入としては、実行意図(if-then計画)が Gollwitzer & Sheeran (2006) のメタ分析(94の独立検証、d = .65)[一次]で最も証拠が厚い。
同メタ分析の前提条件として、実行意図は強い目標意図が既に存在する場合にのみ機能する[一次]。
したがって、まず「この職場・キャリアで何を達成したいか(例:◯年以内に△の業務範囲・資格・異動)」を一文で書き出してから、以下を設計する。

運用: 感情が動く場面を先に特定し、if-then形式で反応を事前に固定する。書き出して手帳等に置き、週1回見直す。以下の3例は実行意図の形式(Gollwitzer & Sheeran 2006)を職場の対人場面に当てはめたもの[応用]であり、この特定の文面自体が検証されたわけではない。

  • 「案件が自分を飛ばして他の人に振られたら → その場では何も言わず、日付と事実だけをメモし、翌日の報告時に自分の進捗を1項目追加して伝える」
  • 「『どうせ評価されない』という考えが浮かんだら → 事実(起きたこと)と解釈(自分の推測)を分けて1行ずつ書く」
  • 「上司に話しかけるのを避けたくなったら → あらかじめ決めた定時(例:15時)に、準備済みの30秒報告だけ行う」

併せて、負のバイアスを相殺する証拠収集を行う。「自分は嫌われている」という結論を保留し、上司の肯定的評価の証拠も意識的に集めるべきこと、えこひいきが自分への攻撃ではなく上司側の利己性や無意識バイアスに由来する場合が多いと認識することは Smith (2024)[実務]の推奨である。これを週次の記録(今週任された仕事・受けた肯定的な言葉・完了させた成果を各1行)として仕組み化する運用は本レポートの提案[応用]で、1〜2か月分たまると全称的な解釈と事実のずれを自分で検証できる。

第二層:関係の再交渉(LMXの改善)

根拠: 上司と部下の関係の質(LMX)が in-group / out-group を生み、機会配分を左右すること、および関係が role-taking → role-making → routinization の段階を経て形成され、固定ではなく発達・再交渉の対象であることは、LMX理論(Dansereau, Graen & Haga 1975; Graen & Uhl-Bien 1995)[一次]による。対決ではなく戦略的接近を取ること、上司のコミュニケーションスタイルと関心領域を観察して合わせること、自分から接点を作ることは Smith (2024)[実務]の推奨である。

運用: 最初の2週間は観察に充てる。観察項目の設定は Smith (2024) の「スタイルと関心の観察」を具体化したもの[応用]:(1) 口頭と文書のどちらを好むか、(2) 何を報告されると安心するか(安全・期限・書類の不備ゼロ・上への説明材料など、上司自身が上から問われている項目)、(3) 機嫌と時間帯の傾向。
その上で、低頻度・低負担・高密度の定期接点を自分から固定する。週1回・口頭30秒+紙またはメッセージ1枚(今週完了・来週予定・相談1件の三行)という具体的な頻度・書式は本レポートの運用設計[応用]である。
「相談1件」を必ず入れる理由は、相談が上司に「頼られている」という材料を渡し、LMXの中核である貢献と信頼の相互交換を開始する行為だからである(社会的交換としてのLMXの原理の応用)[応用]。

支援の申し出を御用聞きではなく付加価値ベースで行うべきことは Marcus (2016, Forbes)[実務]による。定型文「(上司が問われている事項)に備えて、(自分の得意領域)を先にやっておきましょうか」とその監査対応の例文は本レポートの翻訳[応用]である。

内向型・寡黙型向けの戦術は出典が明確である。発言量が発言の質と独立にリーダーシップ知覚を高めること(発話量仮説)は MacLaren et al. (2020)[一次]、実際の情熱水準が同じでも外向的表出が「情熱的」と知覚され機会配分を歪めることは Krautter & Jachimowicz (2023)[一次に基づく実務]による。会議の序盤に発言すること、自己卑下的な前置きをやめること、非同期・文書チャネルで成果を可視化することは Wilding (2024, HBR)[実務]の推奨する5戦略のうちの3つである。事前に論点を1つ書いて持ち込む、前置きを「1点確認です」に置き換える、手順書・改善メモに日付と作成者名を残して共有の場所に置く、という具体化は本レポートの翻訳[応用]である。

第三層:可視性の分散と退出オプション(上司一点依存からの脱却)

根拠: 昇進判断の56%が正式選考前に事前決定され、事前候補の96%が実際に昇進したというジョージタウン大学の役員調査[調査]が、直属上司一人への働きかけの構造的上限を示す。
支援ネットワークの構築と上司以外への働きかけは Marcus (2016)[実務]および Smith (2024)[実務]の推奨である。
「修復不能な favoritism は戦うより移る(異動・転職)方が費用対効果が高い」は Blind の複数スレッドで多数派だった実体験の収斂[逸話]であり、個別の真偽は検証できないが、上記の実務文献の推奨と独立に一致する。

運用: 評価者を最低3系統にする設計は本レポートの提案[応用]である。
第一に、複数の目に触れる仕事(横断業務、監査対応、安全委員会、他部署との調整窓口など)に意識的に手を挙げる。これらは上司を経由せずに仕事の質が外に見える数少ない経路である。
第二に、成果は個人名と日付が残る文書の形で残し、口頭の貢献も可能な範囲で議事録・記録に落とす。
第三に、社内外にメンター・相談相手を最低1名持ち、自分の評価の妥当性を定期的に外部照合する(メンターの効用は Marcus 2016[実務]、外部照合という位置づけは[応用])。

退出オプションは感情ではなく基準で管理する。
「◯か月間、週次の接点と成果の文書化を続けても、任される業務の範囲・評価に変化がなければ、異動希望(または転職活動)を開始する」と事前に書いておく方法は、実行意図の形式[一次]を撤退判断に適用した本レポートの提案[応用]である。
基準の事前決定により「我慢し続ける」と「衝動的に辞める」の両極を避ける。
資格取得や汎用スキルの蓄積は退出オプションの価値を直接高める投資であり、第三層の中核に置く。
関係が上司の人格に起因して構造的に修復不能な場合、第二層に資源を注ぎ続けるのは合理的でない(Blind の実体験群[逸話]とも整合)。

90日の実行順序(本レポートの提案[応用])

1〜2週目は、目標意図を一文で書き出し、上司の観察を行い、記録の仕組みを用意する。
3〜4週目に週次接点を開始し、if-then文3本を作成して携行する。
2か月目に付加価値ベースの申し出を1件実行し、可視性のある業務への立候補を1件行う。
3か月目に記録を見返して第一層の解釈を検証し、退出基準のif-then文を確定する。
以後は週次接点・週次記録・四半期見直しのループを回す。所要は週30分程度(週次接点+週次記録)である。

if-then文

原文の論理の順番どおりに、「可愛がられる後輩になれない私」の状況に置き換えて説明します。原文が健康行動(検診・運動・食事)を題材にしていることは念頭に置いてください。以下は形式と原則の忠実な移植であり、職場の対人場面での効果量が同じである保証はありません。

第一段階:自分の自己制御問題の「型」を特定する

原文の出発点は、if-then文をいきなり書くことではなく、「目標Xへの到達を妨げているものは何か」を先に突き止めることです。問題の型は大きく二系統あります。「着手できない」(行動を忘れる・好機を逃す・直前でためらう)と「脱線する」(誘惑刺激に注意を奪われる・悪い習慣に流れる・否定的な内的状態に呑まれる)です。

私の場合に翻訳すると、目標を「上司との関係を改善し評価を得る」としたとき、妨げているのは着手系か脱線系か、をまず観察します。「週次報告をしようと決めたのに気づいたら金曜日が終わっている」なら着手系の「忘れ」。「上司の前まで行くと『迷惑がられるのでは』とためらって引き返す」なら着手系の「直前のためらい」。「同僚だけが案件を振られた瞬間、悔しさで頭が一杯になり、その日の仕事が手につかない」なら脱線系の「否定的な内的状態」です。原文は問題特定の方法として、既存研究を手がかりにする・過去の失敗経験を書き出す・自分が最も管理したい問題を自分で選ぶ、を挙げています。私が一人でやるなら「過去に上司との接点作りを試みて失敗した場面を書き出し、どの型かを分類する」が該当します。

第二段階:反応(then部)と機会(if部)を選ぶ

then部には目標達成に実際に役立つ認知的または行動的反応を、if部にはそれを発動する好機を指定します。重要なのは、if部の手がかりが外的手がかり(特定の時刻・場所・人物・物)でも内的手がかり(強い感情)でもよいこと、そして手がかりは「行動しやすい好機」だけでなく「予期される障害」でもよいことです。

つまりif-then文は二種類作れます。好機型は「もし15時のチャイムが鳴ったら、私は準備済みの30秒報告を持って上司の席へ行く」。障害型は「もし『どうせ評価されない』という考えが浮かんだら、私は事実と解釈を分けて1行ずつメモに書く」。後者は原文のExample 4(内的手がかり+無視・置換反応で目標を保護する)と同じ構造です。原文のExample 5にある自己効力感を高めるセルフトーク(「私はできる」と自分に言う)も then部として実証されており、「もし会議で発言する直前に心拍が上がったら、私は『1点確認するだけだ』と自分に言う」のような形で移植できます。

if-then文の三つの働き

原文は、if-then文が (a) 着手の促進、(b) 進行中の目標追求の安定化、(c) 予期される障害からの保護、の三通りに使えると整理します。私の文脈では、(a) が週次接点の開始、(b) が接点の習慣の維持(報告を続ける)、(c) が感情的な場面(案件を飛ばされる・素っ気なくされる)で関係改善の努力が脱線するのを防ぐこと、に対応します。第一層で作った3本のif-then文は、実はこの三機能を一つずつ担っています。

精密性の要件

原文が最も強調する失敗パターンは曖昧な計画です。「明日、もっと運動する」が無効なのと同じ理由で、「今度、もっと上司と話すようにする」は実行意図として機能しません。その場で「いつ・どこで・何を」を考え直す必要が残る限り、手がかりの検出も反応の自動化も起きず、単なる目標意図と変わらない、というのが原文の主張です。私の文は必ず、時刻・場所・具体的行動まで固定します。

複数の文を持つ場合の四条件

複雑な目標には複数のif-then文が必要になりますが、原文は四つの条件を課します。精密であること(その場で考え直す余地がない)、実行可能であること(指定した状況が実際に訪れ、指定した反応が実際にできる)、有効であること(その反応が本当に目標に資する)、重複しないこと(同じ手がかりに矛盾する反応を割り当てない)。最後の条件は実務上見落としやすい点です。例えば「案件を飛ばされたら → 黙って記録する」と「案件を飛ばされたら → その場で自分にも任せてほしいと言う」を両方持つと、同一手がかりに競合する反応が結びつき、効果が損なわれます。1つの手がかりには1つの反応です。

if-then という文型そのものが効く

Oettingen らの実験では、「毎週水曜の◯時に課題をやる」と時刻を決めた統制群と、「もし水曜の◯時になったら、課題をやる」と条件文の形で決めた群を比べ、内容はほぼ同じでも条件文の形式のほうが予定時刻どおりの実行を劇的に高めました。したがって私も、手帳に「毎週金曜、報告」と書くのではなく、文字どおり「もし金曜の15時になったら、私は三行報告を持って行く」という条件文の形で書くべきです。形式は飾りではなく効果の成分です。

実行に失敗しても不利にはならない

最後に原文は、if-then文を実行できなかった・道を塞がれた場合の懸念に答えています。実行意図は自己制御の容量を温存するため、経路が塞がれた人はむしろ単なる目標意図の人より頻繁に、質の高い再試行をしました。私の文脈では、報告に行ったが上司が不在だった、話しかけたが素っ気なくあしらわれた、という「塞がれ」が起きても、計画を持っていたこと自体が次の試行を妨げることはなく、むしろ粘り強さの面で有利に働く、と読めます。この点は、不遇な状況で試行が空振りしやすい人にとって、続ける根拠になる知見です。

一点だけ正確性の注記を。第一段階の「問題特定の方法」の原文の記述(既存研究の参照・パイロット調査・本人による問題の指名)は、介入を設計する研究者向けの手順として書かれています。これを「自分一人で自分の問題を特定する」手順に読み替えたのは私の翻案で、原文は自己適用の手続きを直接論じてはいません。

Gollwitzer, P. M., & Sheeran, P. (2006). Implementation intentions and goal achievement: A meta‐analysis of effects and processes. Advances in Experimental Social Psychology, 38, 69–119. DOI: 10.1016/S0065-2601(06)38002-1

https://cancercontrol.cancer.gov/brp/research/constructs/implementation-intentions#5

ToDoリスト

今週やる(準備・各10〜15分)

  1. 目標意図を一文で書く(例:「◯年以内に△の業務範囲/資格/異動を達成する」)。if-then文はこれが無いと機能しない
  2. 過去に上司との接点づくりで失敗した場面を3つ書き出し、「着手系(忘れ・ためらい)」か「脱線系(感情に呑まれる)」かに分類する
  3. 分類に合わせてif-then文を3本書く。条件は「もし〜たら、私は〜する」の文型・時刻や場所まで具体的・1つの手がかりに1つの反応
  4. 着手用:「もし金曜15時になったら、三行報告を持って上司の席へ行く」
  5. 保護用:「もし『どうせ評価されない』と浮かんだら、事実と解釈を分けて1行ずつ書く」
  6. 感情用:「もし案件を飛ばされたら、何も言わず日付と事実だけメモする」
  7. 手帳かメモアプリに3本を書き、週次記録のページ(任された仕事・肯定的な言葉・完了成果)を作る

来週〜2週目(観察)

  1. 上司を観察して3点メモする:口頭派か文書派か/何を報告されると安心するか/機嫌の良い時間帯
  2. 週末に週次記録を各1行つける(以後毎週)

3〜4週目(接点の開始)

  1. 週1回の三行報告(今週完了・来週予定・相談1件)を開始する。相談1件は省略しない
  2. if-then文を週1回見直し、発動しなかった文は手がかりか反応を修正する

2か月目(可視化)

  1. 「(上司が問われている事項)に備えて、(自分の得意領域)を先にやりましょうか」を1件申し出る
  2. 複数の目に触れる業務(監査対応・横断業務・委員会等)に1件手を挙げる
  3. 作成した手順書・様式に日付と作成者名を入れて共有場所に置く
  4. 会議では序盤に一度発言する。前置きは「1点確認です」に固定

3か月目(検証と基準)

  1. 週次記録2か月分を見返し、「嫌われている」という解釈と事実のずれを確認する
  2. 退出基準をif-then文で確定する:「もし◯か月続けて業務範囲・評価に変化がなければ、異動希望(転職活動)を開始する」
  3. 社外で「30分だけ相談できる相手」に1人連絡する(メンターの初手)

以後のループ

  1. 週次:三行報告+記録(計30分)。四半期:記録の見返しと退出基準の判定

補足を一つ。タスク[3〜4週目(接点の開始) 2]の「発動しなかった文の修正」は、論文の四条件(精密・実行可能・有効・非重複)のセルフチェックに相当します。うまく動かないif-then文は意志の問題ではなく設計の問題として扱ってください。また、報告に行って上司が不在・素っ気ない等の空振りは失敗としてカウントしない——論文上、計画保持者はむしろ再試行の質が上がるので、そのまま翌週続行が正解です。

2026年6月7日日曜日

LogSeq-Text wrapper Plusツールバーをカスタムする

LogSeqを使いやすくカスタマイズ

デフォルトだとツールバーがないので、Text wrapper plusを導入した。

JSONを書き換えると、自分の好きなようにツールバーをカスタムできる。

良い時代になったなぁ


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2026年5月24日日曜日

可愛がられる後輩になれない人の成長戦略

可愛がられなくても成長する道筋参考 - 記事まとめ

MIKE OSCAR ECHO INDIA JULIET KILO LIMA WHISKEY X-RAY ZULU

今日は割と平和に平穏に過ごせた。先週はプライベートでちょっとトラブルがあったけど、Claudeに相談しながらうまく対処できました。

仕事では、明後日に本社から監査が来るので、明日中に在庫入出庫簿の修正します。今日、職場に休日出勤しようか迷っていましたが、 明日やることにしました。

1. How to Succeed When You’re Not the Boss’s Favorite

2. Introvert / Quiet Employeeの成功パターン

3. The Politics of Favoritism: How to Succeed When You're Not the Boss’s Favorite

4. その他

5. 成人後の後天的自己制御トレーニング

6. Typst

20:20

2026年5月17日日曜日

灯の数

灯の数

灯の数


その喫茶店の入口には、煙草が吸えることを示す古いステッカーが、ガラス戸の内側から貼られていた。

四隅が黄ばんで、文字の縁が少し剥がれている。何年前からそこにあるのか、店主の老人も、たぶん覚えていない。町に喫煙できる店がほとんどなくなってからも、その店だけは、表示を貼り替えることも剥がすこともしなかった。

カウンターの上の天井に、蛍光灯が一本あった。
白い光が、ごくわずかにちらついていた。

橋本は、その光の下で、煙草の煙がほどけていくのを眺めていた。

向かいに坂井が座っている。
中学のころからの知り合いだった。仲がいいわけではない。ただ、害がなかった。

害のない人間というのは、年を取るほど貴重になる。

外は晩秋だった。海から来た風が、商店街の閉じたシャッターを低く鳴らしていた。


「整備士の資格を、ちゃんと取ろうかと思っている」と、橋本は言った。

坂井はコーヒーを一口飲んだ。
カップを置くとき、音をたてなかった。
何も言わず、続きを待った。

「三級だけでも、取れば少しは違うと思う」
「親方は何て」
「やる気があるなら、講習にも出していいって」

坂井は、ふうん、と言った。
それから、また黙った。

橋本は、自分の言葉が、まだ自分の中で固まっていないことに気づいた。

「別の港町に出ようかとも思う。釧路でも、根室でも。あっちなら工場の数も多いし」
「向こうに知り合いはいるのか」
「いない」
「住むところは」
「決めていない」

坂井は煙草に火をつけた。
火をつけるとき、彼の指は震えていなかった。

橋本は、いつのまにか、人の指を見るようになっていた。
震えるか、震えないか。
そういうことを、見る。

たぶん、前の職場で身についた癖だった。


「金は」と、坂井は聞いた。
「ない」
「借金は」
「少し残っている」

坂井は頷いた。
頷いたあと、しばらく黙っていた。

蛍光灯が、ちかちかと明滅した。

「お前さ」と坂井は言いかけて、いったん止めた。

煙草の灰を、灰皿に落とす。
古い陶器の灰皿だった。底に細かいヒビが入っているのが、橋本の席からも見えた。

「これまで何回、仕事を変えた」

橋本は、頭の中で数えた。

「最初の場所を入れて、四回か、五回」
「最初の場所は?」
「自衛隊」

坂井は驚かなかった。
昔から知っていることを、確認するように頷いただけだった。

「自衛隊は、何年いた」
「短かった。16で入って20代の初めまで」
「辞めた理由は」

橋本は、しばらく考えた。

「合わなかった、というほどではなかった。むしろ、合っていた部分もあったと思う。決まった時間に起きて、決まった手順で動いて、決まった服を着て、決まった靴を磨く。それでよかった」
「それで、なぜ辞めた」
「自分でもよくわからない。ただ、ある時期から、ここではない場所のことを考え始めた」

坂井は、何も言わなかった。

煙が、蛍光灯の下で、ゆっくり上に昇っていった。


橋本は、自分の十代の終わりからの年月を、もう一度順番に並べた。

自衛隊を出て、医療系の専門学校の夜間部に通った。昼は働き、夜は慣れない教室にいた。卒業して病院に入り、腰を痛めて事務の助手になり、合わないと言われて配達に変わった。冬の坂が辛くなって、フェリー会社の窓口に移った。そして今、整備工場で五年目になる。

辞める理由は、毎回違っていた。
ただ、次を選ぶときは、いつも、ここではないどこか、というだけだった。

ここに行きたい、ではなかった。

そのことに、三十代も終わりに近づくこの年まで、気づかずにいた。
気づかないことで、生きてきたのだった。


「お前さ」と坂井は、もう一度言った。

煙草を灰皿の縁に置く。

「最初の場所を辞めてから、ずっと、辞めることだけ選んでいる気がする」

橋本は、それをすぐには受け取れなかった。

何かを言い返そうとして、口を開きかけて、閉じた。

坂井は、それ以上は言わなかった。
責めているのでも、慰めているのでもなかった。

それが、いちばん効いた。


橋本は煙草に火をつけた。

自分の指が、わずかに震えていた。
坂井がそれを見たかどうかは、わからなかった。

蛍光灯がまた、ちかちかと光った。
店主の老人は、カウンターの奥で新聞を読んでいる。こちらの会話には、目もくれなかった。

橋本は、最初の場所のことを考えた。

あの場所では、自分のことを自分で考えなくてよかった。
起床も、食事の時間も、姿勢も、靴の磨き方も決まっていた。
迷うことが少なかった。

それで、楽だった。
楽だったから、合っていた。
合っていたのに、辞めた。

辞めた理由を、彼は坂井に正確には説明できなかった。
ただ、ある時期から、外側ばかり整っていて、内側に何もないような感じが強くなった。

それで、辞めた。

辞めたあとは、自分の形を、自分で保たなければならなかった。
それがうまくできないから、また別の場所に移った。

別の場所に行けば、その場所の決まりが、しばらくは彼を保ってくれた。
ただ、どの場所も長くは続かなかった。

そう気づいたとき、橋本は、自分のことを少しだけ可哀想だと思った。
長くは思わなかった。扱いに困るからだった。


「整備士の資格な」と、坂井は言った。
「取りたいのか、取らなきゃいけないと思っているのか」

橋本は、すぐには答えなかった。

「両方かな」

坂井は、ふうん、と言った。

橋本は、カウンターの上の蛍光灯を見ていた。

工場の天井の、奥から二番目の蛍光灯。
自宅の台所の、奥から一番目の蛍光灯。
港の防波堤の、陸から二本目の外灯。

点いているものと、消えているものと、そのあいだにあるものが、町の中にはいくつもあった。

その下で人は、何でもないような顔をして生活している。


「坂井」と、橋本は言った。

坂井は、煙草を口から外して、こちらを見た。

「俺は時々、消えてしまいたいと思うことがある」

坂井は、頷きもせず、驚きもしなかった。

「死にたい、ということか」
「いや、それとは違う」
「違うのか」
「違う。死にたいわけじゃない。ただ、世界中の誰も、俺のことを最初から知らなかったことにしたい、と思う」

言ってしまってから、橋本は、自分の手のひらが冷たくなっているのに気づいた。

煙草の煙が、蛍光灯の下で、ゆっくり上に昇っていた。

坂井は、しばらく何も言わなかった。

「それは、何年ぐらい思っている」
「ずっとだ」
「ずっと、というのは」
「もう、十年は超えている」

坂井は、煙草の灰を落とした。

「そうか」とだけ言った。

慰めもしなかった。
励ましもしなかった。
否定もしなかった。

ただ、そうか、と言った。

橋本は、その短さに、救われたような気がした。


店主の老人が、奥でラジオをつけた。

音量を絞っていたので、何を言っているのかは、橋本の席までは届かなかった。ただ、低い男の声が、雑音越しに断続的に流れている。

橋本は若いころ、無線機が好きだった時期があった。
冬の夜、ノイズの中から遠い町の声を拾うのが好きだった。

富山、新潟、酒田、稚内。

顔の見えない人間の声を、自分の部屋で何時間でも聞いていられた。
無線の声は、彼に何も要求しなかった。
答える必要もなかった。

その話を、坂井にしたことはなかった。

いま、老人のラジオから流れてくる声を聞きながら、橋本は、坂井との距離も少しそれに似ていると思った。

近すぎず、遠すぎず、答えを急がされない距離。

今夜は、その距離が、ちょうどよかった。


「明日も工場か」と、坂井は聞いた。
「ああ」
「タイヤ交換、入っているのか」
「三件」

坂井は頷いた。

「資格の話は、また今度でいいんじゃないか」
「ああ」
「移住の話も」
「ああ」

坂井は、コーヒーを飲み干した。

「今夜の話は、聞いた。明日になっても、聞いたことにしておく」

橋本は、それを聞いて、しばらく動けなかった。

胸の奥で、何かが、ほんの少しだけ緩んだ。
それだけのことだった。


橋本は煙草を消した。
坂井も、自分の煙草を消した。

二人は会計をして、店を出た。

店主の老人は、ありがとうございました、とは言わなかった。
彼はいつも何も言わなかった。
それも、この店の習慣のひとつだった。

外は風が強かった。
晩秋というより、もう冬の入口だった。
湿った雪が、わずかに落ち始めていた。

商店街の閉じたシャッターが、風に鳴っている。

坂井は「じゃあ」と言って、反対方向に歩いて行った。
振り返らなかった。

橋本は、家まで歩いた。

途中、防波堤の外灯の下を通った。
七本のうち、陸から二本目だけが、今夜も点いていなかった。

橋本は、その消えた外灯を、いつもより少しだけ長く見上げた。

それから、家に帰った。


アパートの部屋は寒かった。
台所の蛍光灯のうち、奥から一番目が、また点滅していた。

橋本は、それを見上げた。

踏み台を持ってくれば、取り替えられる。
持ってこなければ、明日もそのままだった。

橋本は、踏み台を出さなかった。

代わりに、テーブルの上にあったノートを開いた。
ボールペンを握る。
指は、もう震えていなかった。

一行だけ、書いた。

——世界中の誰も、俺のことを最初から知らなかったことにしたい。

書いてから、しばらくその一行を眺めていた。

声に出したことを、文字にしたのは初めてだった。
消そうと思えば、消せた。
ただ、消さなかった。

ノートを閉じて、テーブルの端に置いた。

明日、自分がこのノートを開くかどうかは、わからなかった。
読み返すかどうかも、わからなかった。

ただ、書いたものは、そこにあった。

明日までなら、置いておける。

それ以上のことは、考えなかった。


橋本は、台所の蛍光灯をもう一度見上げた。

白い光が、明滅していた。

その下で、彼は明日の作業の段取りを、ぼんやりと並べ始めた。

タイヤ交換が三件。
オイル交換が一件、入るかもしれない。
工具を夕方のうちに並べておけば、朝、少し楽になる。

ただ、今夜のところは、もう何もしないことにした。

蛍光灯は、明滅したまま、夜の中に残っていた。
橋本は、それを消さなかった。

外で、湿った雪が、少しだけ強くなっていた。


【了】


※本作は、実際の会話や記憶を素材に、生成AIの支援を受けて執筆したフィクションです。人物・設定・出来事は、作品として一部再構成されています。

2026年4月18日土曜日

なぜ燃料タンクは水分が混入禁忌なのか?

What is the reason why water must not be allowed to enter aircraft fuel tanks?


"2010年2月に公表された最終報告で、AAIBは事故の原因として飛行中に燃料供給システム内で燃料中の水分が凝固し、FOHE(燃料/オイル熱交換器)に詰まり、エンジンに供給される燃料が制限され、両方のエンジンの推力が減少したためとしている。氷の生成は、この航空機が低温の環境、かつ燃料流量が少ない状況で長時間飛行を行なううちに燃料供給システム内で起きたと考えられ、着陸アプローチ中に突然自動スロットルが燃料供給を一気に増量した結果、燃料供給システムに溜まっていた氷がFOHEに殺到した事で燃料供給が滞り墜落に至った。"出典:Wikipedia 

FOHE(Fuel Oil Heat Exchanger)


7 タービン·エンジン p173


Ariel 2S1 エンジンの上についている。